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FAQ
- もっと画質をよくしたい
- 艦長!TMPGEncが異常終了します!
- ハードディスクはSCSI?IDE?
- 無圧縮AVIってどういうもの?
- 参照AVIとは?
- 映像と音声がずれる対策は?
- 艦長!MPEG4で保存できません!
- Macで費用をかけずに高画質のVideo-CDを作りたい
- TMPGEncで作成したVideo-CDの音がガビガビです
- AVIcapPlugin Ver1.00Sでデコード速度が遅くなる
- TMPGEncで作成したVideo-CDを特殊再生するとモザイクです
- 最初のトラックを再生するとプレイヤーが停止しました
もっと画質をよくしたい
Video-CDの限られたビットレートの中で高画質を追求するにはいくつかの方法が知られています。
- できるだけきれいなソースを用意する
きれいなソースとしては
- カメラスルー
- DV
- DVD
- LD
- S-VHS
- 衛星放送
- Hi8
などがありますが、超高級LDを除きどれもS端子で接続します。LDは元々コンポジットで記録しているので、高級機種ではコンポジット出力の方がきれいになることがありますが、ヴィデオキャプチャごときのY/C分離回路よりもLDの方が優秀に決まっているので、基本的にLDもS端子で接続した方がきれいです。
ソースがDVであるときは素直にDVRaptorなどでDVキャプチャすべきです。
テープがソースであるときはできるだけTBCを搭載したデッキで再生して「エディットモード」があるときは必ずこれを有効にします。
接続ケーブルはできるだけ「太く、短く」が基本で、高級なケーブルを使うと劇的に画質が良くなることがあります。高周波のインピーダンス不整合はあなどれません。
また、AV系の電源とPC系の電源はできるだけ独立させて、間にノイズフィルターをかますと画質が改善することがあります。テープを再生しているときには他の機器(特にLD)を作動させてはいけません、しゃれにならないノイズが回ってきます。逆もまた真で、LD再生中はヴィデオデッキを作動させてはいけません。
リアルタイムエンコードではサイズやビットレートを変更できませんので、必然的に優秀なソースを準備するしかなくなります。
- 大きなサイズでキャプチャする
通常は704×480ドット29.97fpsでキャプチャします。これを縮小しながらエンコードします。これは非常に大きな効果があります。
- 低い圧縮率でキャプチャする
キャプチャ環境によっては「ビットレート」「画質」とかいう表現をしています。高いビットレート、高画質でキャプチャします。MV-300では劇的な効果がありました。
- 優秀なエンコードソフトを使用する
フリーでは「TMPGEnc」の「最高画質」がよろしいです。猛烈に時間がかかりますが効果は大きいです。市販品では「Panasonic MPEG1 Encorder」が優秀とのことです。逆に「使えない」という評判のMPEGエンコーダは「日立のAVI-MPEG変換」です。
私の環境(MV-300)では、704×480ドット29.97fps、圧縮率4:1でおよそ4950KByte/sec=290MByte/min=17GByte/hour消費します。CPUはCeleron366(550MHz)でメモリは256MBという環境でTMPGEncの浮動小数点DCTを有効にして最高画質でエンコードすると、実時間のおよそ18倍の時間で完了します。つまり1時間の動画をMPEGにするのに18時間かかるということです。それでもできあがったVideo-CDはVideo-CDの限界に近い高画質です。
艦長!TMPGEncが異常終了します!
「もう一度点検せよ」
TMPGEncで長時間エンコードをしていると異常終了したり、システムフリーズすることがあります。
原因はいくつか考えられます。
- 熱暴走
- TMPGEncあるいはDelphiのメモリ管理のバグ
- Video for Windowsのバグ
- Windowsのメモリ管理のバグ
- 霊障、その他未知なる超常現象
熱暴走
TMPGEncはCPUパワーをフル稼働する、非常に強力なプログラムです。普段、ギャルゲーやネットサーフィン(古語)にしか使われていないPCも、ここぞとばかり「電子計算機」に変貌します。すると、当然いつもよりCPUも発熱するわけで、いつもと違った挙動を見せることもあります。
私の経験では夏場の暑い日にTMPGEncを走らせたまま出社すると、帰宅した頃にはしっかり青画面だったり、マウスも動かない状態だったりしていました。これが、冷房を効かせている間は問題なくエンコードできたのですから熱暴走の可能性は非常に高いです。
オーヴァークロックしている場合は規定クロックに戻せばいいのですが、クロックを下げるとその分エンコードにかかる時間は長くなるわけで、必然的に熱暴走の可能性も大きくなるわけです。そのへんのさじ加減は難しいところです。
TMPGEncあるいはDelphiのメモリ管理のバグ
どちらも確証はありませんが、比較的、C:ドライヴ(スワップファイルのあるドライヴ)の残り容量が少ないときに、メモリ間系のエラーで死んでいることが多いようです。Windows9Xの仮想記憶はタコでして、どうやらアプリケーションが確保しているメモリがスワップしても、ただちにエクスプローラーの残り容量表示に反映されないようなのです。つまり、スワップファイルがディスクを食いつぶしても、それが原因であるかどうかは簡単にはわからない、ということです。TMPGEncがメモリの確保を確実に処理していればいいのですが、どこかに手抜かりがあるとNULLポインタに書き込んだり、不足なメモリ領域に書き込む可能性はゼロではありません。TMPGEncにミスが無くてもDelphiのライブラリにミスが無いとも限りません。
TMPGEncは想像以上に大量のメモリを確保しているようです。
Video for Windowsのバグ
Video for Windowsは基本部分はWindows3.1時代からの仕様をひきずっており、「枯れた」(良い意味)APIなのですが、あちこちで古くささも感じます。メモリ管理とかファイルサイズに関する部分が最も深刻で、今時の大規模キャプチャやオブジェクト指向なプログラミングにはマッチしません。大規模キャプチャや高性能CODECでは何が起こっても不思議はありません。
Windowsのメモリ管理のバグ
Windows9Xのメモリ管理には多くの「穴」があります。リング3で動くユーザーアプリケーションは、ほぼ完全に保護されていて、それぞれのアプリケーションが干渉しあうことはないのですが、仮想デヴァイスドライヴァはリング0で比較的ゆるやかなメモリ管理の元に動いています。デヴァイスドライヴァを書く人はそれなりの技術力を持っているはずなので、ずさんなことはしないだろうという性善説はうれしいのですが、最低でも「誰が、いつ、どこで、どうした」という情報を残して欲しいのですが、ワトソン君にも手に負えないことは多いようです。
霊障、その他未知なる超常現象
織田無道などに依頼して御祓いをしてもらったり、西国三十三カ所巡りを完遂したり、PCの置き場所や向きを変えてみるのがいいかもしれません。深夜にディスプレイの消磁機能を実行して画面に現れた文様をポラロイドカメラ(チェキ!でも可)で撮影してみて下さい、何か写っているかもしれません。
(99/12/24)追加
TMPGEncでエンコードをしながらシステムモニターでメモリの状況を監視していると、メインメモリ256MBの時に、600MB以上のメモリをアロケートしているにもかかわらず、スワップファイルのサイズは144MB、使用済みスワップファイルは90MBという矛盾したレポートがなされます。これはつまりアプリケーションが確保したメモリはただちにファイルシステムに反映されるわけではなく、スワップのあるドライヴの空き容量はあまりあてにならないことがわかります。TMPGEncでエンコードをするときは700MB〜1GBの空き容量が必要なようです。
ハードディスクはSCSI?IDE?
最近のATA33以上の7200rpmのIDEドライヴは非常に優秀です。無圧縮系のキャプチャボードからソフトウェア圧縮で640x480以上でキャプチャするようなヘヴィーな条件でない限りIDEで十分です。
どうしてもドロップフレームが気になる場合はシステム(スワップ)が入っているドライヴとキャプチャするドライヴを物理的に分離します。特に、システムドライヴをSCSIにすると効果的です。それでもメモリは128MB必須、256MB推奨と思って間違いありません。理由はWindows95(初代)でシステムのみで32MB使います。Windows95OSR2(+IE4)でおよそ100MBでした。Windows98もおよそ100MB食らいます。ここにキャプチャのドライヴァが読み込まれると128MBではかつかつになり、スワップが発生します。スワップが発生した瞬間はキャプチャは不可能と思って間違いありません。ドロップして音がずれます。
SCSIが必要になる状況は無圧縮キャプチャで40MB/secを絶対に下回れない場合でしょう。また、ソフトウェア圧縮でどうしてもCPUパワーを上げられない理由がある場合もSCSIを選択するしかありません。通常のハードウェア圧縮ではIDEで十分です。
無圧縮AVIってどういうもの?
キャプチャボードがハードウェア圧縮機能を持っていない場合、無圧縮系キャプチャボードと言われることがあります。ハードウェア圧縮しないキャプチャを無圧縮キャプチャ、もしくはソフトウェア圧縮といい、できあがったAVIファイルを無圧縮AVI、あるいはソフトウェア圧縮AVIともいいます。
本当の意味での無圧縮AVIは圧縮にともなう画像の劣化がないので高画質になりますが、非常に大きなディスクスペースを必要とします。画像の劣化がないソフトウェア圧縮にはLCL圧縮などがありますが、リアルタイムに圧縮するにはPentium3の2GHzくらいが必要なようです。
参照AVIとは?
AVIファイルには「2GB」の壁があります。これは普通のVideo for Windows APIが2GB以上のAVIファイルを扱えない(再生できない)ことによるものです。この2GBの壁を破るために考案されたのが「参照AVI」です。
メインとなるAVIファイルには音声データと画像ファイルへの「ポインタ」のみが記録されています。
- HOGE.AVI(音声と、HOGE.???の場所が記録されている)
- HOGE.000
- HOGE.001
- HOGE.002
HOGE.AVIを再生するとCODECが自動的にHOGE.000から順番に画像を再生する、という仕組みになっています。当然、それなりのマシンスペックが要求されますが、20GBくらいのAVIファイルを作成できるようです。
欠点は画像ファイルの場所を絶対パスで記録しているために、他のディレクトリやドライヴ、マシンに移動することが困難であることでしょう。
DVキャプチャなどで採用されていますが、GroupTRONでシェアウェアの参照AVIのCODECが配布されています。MV-300でも何度か試したのですが、うまくいきませんでした。
映像と音声がずれる対策は?
長時間のキャプチャでは映像と音声がずれることがあります。特にキャプチャカードに音声入力が無くて、サウンドカードで音声を入力する場合、USBやパラレルポートでキャプチャする場合に多いようです。対策はISAサウンドカード入力の場合はPCIバスのカードに換えてみる、PCIでもずれるときは別のカードに換えてみる、USBやパラレル接続でずれる場合はあきらめる。
私の場合、昔使っていたISAバスのカードではよくずれたので、PCIバスのYMF-744に換えたところかなり改善されました。キャプチャ開始時にDLLのロードに時間がかかると最初からいきなり音がずれていることがあったので、まずDLLロードのためのダミーキャプチャを実行します。
CMI8738のサウンドカードでデジタル48KHzの音声を44.1KHzでキャプチャすると音が思いっきりずれるので、48KHzでキャプチャしてエンコード時にTMPGEncで44.1KHzに変換します。
艦長!MPEG4で保存できません!
Microsoftの最新版のメディアプレーヤーなどをインストールするとMPEG4のエンコードができるはずなのですが、従来のCODECと構造が違うために既存の多くのソフトが対応していません。ちょっと古いMPEG4のCODECを救済するページからダウンロードして導入してみましょう。これでだめならあきらめてください。
個人的にはMicrosoftはMPEG4によるAVIファイルの作成からは戦略的に撤退していると思われるので、MPEG4による資産は増やさない方がいいと思います。なぜ、MPEG4-AVIから撤退かというと、基本的にMPEG4はストリーム配信のための形式であって、編集や保存には全く向いていないからです。
Macで費用をかけずに高画質のVideo-CDを作りたい
無理です。あきらめましょう。
費用をかければ市販の高価なエンコードソフト/ハードが手に入るらしいのですが、Windowsマシンを組み上げてTMPGEncで作ってしまう方が安上がりで高画質になるそうです。
TMPGEncで作成したVideo-CDの音がガビガビです
TMPGEncのVideo-CD対応は不完全です。これほどのキャリアと実力をお持ちの堀様がなぜ未だにVideo-CD対応が完全ではないのかが謎ですが、Video-CDの資料を手に入れるにはSONYに上納金を納めなければならないとかいうことなので無理なものなのかも知れません。
そこで、なんとかするには経験的に次のことがわかっています。
- DVMPEGでMPEGファイルを分離/結合する。
私が試した範囲ではDVMPEG試用版(無料)Ver4.27に付属しているデマルチプレクサ/マルチプレクサを使えばTMPGEncのVideo-CD(NTSC)でエンコードしたファイルをB's Recorder GOLDで三井化学のメディアに焼いて、SONY DVP-S501Dで正常に再生することができました。
DVMPEG Ver4.3系列では3分過ぎあたりから音声が壊れます。
Ver5系列ではマルチプレクサ/デマルチプレクサにも使用制限があるようなので、お金を払って正式版にするしかないようです。
- 日立Digital Movie StudioのビデオCD中間フォーマットを使用する。
有償ですが、最も確実です。まれに音と画像がずれることがあるそうです。
AVIcapPlugin Ver1.00Sでデコード速度が遅くなる
なぜかわかりませんが、最新のVer1.00SでZORANのMotionJPEGをデコードさせると速度が極端に落ちます。一つ前のVer1.00を使ってみてください。Ver1.00は60分以上のデコードができないので60分を越えるときだけVer1.00Sにして、なんらかのキャプチャーソフトを綺堂起動しておけば、速度も確保できます。
TMPGEncで作成したVideo-CDを特殊再生するとモザイクです
エンコードの設定でMPEGのブロックマトリクスを「デフォルト」や「アニメ」ではなく「MPEG標準」にしてみてください。
最初のトラックを再生するとプレイヤーが停止しました
Video-CDを書き込むときに「Disk at Once」で書き込んでください。
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